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[本リリースは、2017年1月19日にKaspersky Labが発表したプレスリリースに基づいた抄訳です]

Kaspersky Labが、日本を含む世界18カ国16,750人の男女を対象に実施したソーシャルメディアに対する調査※1 の結果、ソーシャルメディアが親子関係にも影響を与えていることが明らかになりました。ソーシャルメディアを利用することでコミュニケーション頻度が増加し、55%の親は子供との関係が良好になったと感じています。一方で、33%の親は子供と面と向かって話す機会が減ったとも回答しています。また、子どもに気まずい投稿を見られて関係が悪化したと回答した親は21%にも上ります。


■ 74%が子供とのコミュニケーション頻度が増加、一方で対面でのコミュニケーションは減少

ソーシャルメディアによって親子間のコミュニケーションの頻度は増加傾向にあります。ソーシャルメディアを利用し始めてから74%が子供と、68%が親とのコミュニケーションをこまめに取るようになったと回答しています。友達(80%)、同僚(77%)、パートナー(70%)など、身近な人とのコミュニケーション頻度も増えています。また、回答者の55%は、ソーシャルメディアでつながってから子供との関係が良好になったと感じています。一方で、回答者の30%以上がソーシャルメディアを利用するようになってから身近な人と面と向かって話す機会が減ったとも答えています。33%の人は子供と話す機会が減ったと認めています。

■ 21%が子供に気まずい投稿を見られて関係が悪化

親は子供のオンライン上の行動を心配していますが、その逆の現象も起こっています。子供にソーシャルメディア上での自分の気まずい投稿を見られて関係が悪化したと回答した親は21%に上ります。これに対して、子供のオンラインでの行動に悩まされたと回答した親は14%に留まっています。

図:ソーシャルメディアの気まずい投稿を見られて身近な人と関係が悪化した割合


ドイツのヴュルツブルク大学のメディア心理学者、アストリッド・カロルス博士は次のように述べています。「調査の結果、デジタルコミュニケーションが実際のコミュニケーションを補っていることが明らかになりました。パートナーや家族と離れて暮らすこともあります。このような物理的な隔たりをデジタルコミュニケーションは埋めてくれます。しかし、デジタルコミュニケーションは直接的なコミュニケーションにはかないません。デジタルコミュニケーションは感覚的な部分が欠如しているので、感覚面で物足りなさを感じてしまうのです。」

お互いに面と向かって話す機会は減っているものの、回答者の半数程度は大切な人とソーシャルメディアでつながることで、関係の質は損なわれておらず、むしろ良くなっていると感じています。一方、一見すると関係の質が高まっているように感じられても、オンラインでのコミュニケーションは客観的に判断することが難しい、とアストリッド・カロルス博士は警告します。

「オンラインでのコミュニケーションを『超個人的(ハイパーパーソナル)なコミュニケーション』としてとらえてしまうケースもあり、客観的に評価することが必ずしも出来なくなり、メッセージを誤解したり、拡大解釈したりすることにつながります。オンライン上のスリム化されたコミュニケーションでは、解釈の余地が生まれ、前向きな解釈やプラスの感情に傾きます。そのため相手に強い親しみを感じ、悪いことには目をつぶり、文章の裏にある良いメッセージのみに目を向けて、拡大解釈してしまうのです。」

この調査では、ソーシャルメディアは気軽に利用できるコミュニケーション手段として時差や距離の壁を越える一方で、必ずしもユーザーを幸せにするものではないことも分かっています。ユーザーは絶えず自分と他の人の生活を比べることで、落ち込んだり、嫌な気分になったりするだけでなく、人間関係がぎくしゃくすることもあります。「いいね!」の数を増やしたい、自分の社会的な存在価値を確認したいという思いから、ソーシャルメディア上で多くの個人情報を共有し、自分自身のみならず、友達や家族、同僚までをも危険にさらす事態が起こっています。またソーシャルメディアの投稿内容が、身近な人との人間関係を悪化させるきっかけになることもあります。

一度インターネット上に公開した情報を完全に消去することは困難です。その情報が人間関係に悪影響を与えたり、情報を悪用されサイバー犯罪に巻き込まれたりする危険もあります。自分自身と大切な人を守るため、私たちはソーシャルメディアで共有する情報にもっと注意を払い、サイバー犯罪について知っておく必要があります。そうすることで、インターネット上に潜むリスクを軽減するだけでなく、現実の人間関係が損なわれる事態をも防ぐことができるはずです。


本調査の詳細レポートはこちらからご覧いただけます。

  • <Kaspersky Labレポート:ソーシャルメディアが人々に及ぼす影響-1>はこちらをご覧ください。
  • <Kaspersky Labレポート:ソーシャルメディアが人々に及ぼす影響-2>はこちらをご覧ください。

※1 世界18カ国の16歳以上の男女16,750名を対象(日本の対象者は1,000名)に行ったオンライン調査。実施時期は2016年10月から2016年11月。調査会社はToluna。

<Kaspersky Labレポート:ソーシャルメディアが人々に及ぼす影響-3>ソーシャルメディアの利用が親子関係にも影響、21%の親が子供に気まずい投稿を見られて関係が悪化と回答

Kaspersky Labが世界規模で実施したソーシャルメディアに関する調査では、ソーシャルメディアを利用することでコミュニケーション頻度が増加し、55%の親は子供との関係が良好になったと感じています。一方で、33%の親は子供と面と向かって話す機会が減ったとも回答し、子どもに気まずい投稿を見られて関係が悪化した親は21%にも上ります。
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