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エンターテインメントソフトウェア協会の調査によると、70%の世帯で少なくとも1人の子供がビデオゲームをしています。ゲーム業界では、モバイル用のゲームが重要な部門になりつつあります。市場調査会社のNPDグループは、米国で2歳以上のゲーマーの59%がゲーム機、デスクトップ、ノートパソコン、モバイル機器など複数のデバイスでプレイしていると報告しています。また、単一のシステムのみでプレイするゲーマーでは34%が、モバイル機器を使用しています。

オンラインゲームは質の高い社会的交流を提供する一方で、負の側面もあります。ネットいじめやネットを介した性犯罪、思いもかけない支出まで、特に子供にとってインターネットのビデオゲームには多くの危険が潜んでいます。親にできる最も大切なことは、インターネットの安全な利用について幼い頃から話し合いを始めて、成長とともに積み重ねていくことです。リスクとセキュリティの重要性を理解できれば、子供は危険の可能性を察知することができるようになり、心配なことがあれば、親に相談してくる可能性が高くなります。

以下に、上位7つの危険とオンラインで子供の安全を守るための簡単なヒントを紹介します。

1. ネットいじめ

オンラインの世界は、多くの子供たちを現実の生活から解放します。オンラインの世界では誰も本当の自分を知らず、どんな学校に行ってどんな姿をしているのかも知りません。しかし、この匿名性は諸刃の剣となります。ゲーム内でのいわゆるスポーツマンシップの欠落が、きっかけになることもあります。Get Safe Onlineによると、ゲームプレイヤーの中にはIDを変えられることを悪用して、わざと他のプレイヤーに嫌がらせをする「グリーファー」と呼ばれるプレイヤーがいます。グリーファーは、他のプレイヤーよりも前に必要なクエストの目標を達成したり戦利品を手に入れたりする「キルスティール」や、低レベルのプレイヤーの進捗をブロックして死なせる高レベルのチャレンジグループの「チェイン」などを行います。

このようなグリーファーが行うグリーフィングが、ネットいじめにつながることもあります。残念ながら、ネットいじめには多様なかたちがあり、その一部は特定のゲームのプラットフォームに固有のものです。「ウィスパリング」では、ネットいじめのターゲットにされているプレイヤーに直接、悪意ある心無いメッセージが送られたり、世界的なチャットチャンネルで侮蔑的なコメントを拡げたりします。Stay Safe Onlineによると、子供と親がオプションの設定を理解することが極めて重要と言っています。ほとんどのゲームは、他のユーザーからのチャットやメッセージを「ブロック」することが可能で、一部のゲームでは、いじめの言葉や行為は、ゲームの利用規約違反になる場合もあります。攻撃的な言葉を受けたらメモをするかスクリーンショットをとって、ゲームの管理者に報告するようにしてください。

2. プライバシーの問題

Stay Safe Onlineは、本名から派生したユーザー名や、他の個人を特定できる情報(PII)が明らかになるユーザー名(居住地や年齢など)を作らないよう、強く推奨しています。US-CERTによると、サイバー犯罪者は、オンラインゲームのソーシャルメディア的な特徴を利用して、言葉巧みに接近してきます。一般的なチャットチャンネルで子供たちに狙いを定め、詳しい個人情報をたずねるメッセージを送ってきます。ハッカーは、ゲームや他の情報源からのデータをつなぎ合わせて、ソーシャルメディアなど他の既存アカウントにアクセスしたり、子供の名前で新しいアカウントを設定したりする可能性があります(デジタルIDが作成されることも)。オンラインフォーラムと同様、個人情報は決して提供しないでください。また、異なるゲームやプラットフォーム、アカウントでは、異なるユーザー名とパスワードを使うようにしてください。

3. ゲーム機、コンピューター、デバイスの個人情報

オンラインゲームのもう1つの危険は、ゲーム機やPCそのものにあります。多くの場合、使い古したゲーム機は、近くの家電リサイクルショップに持ち込むか、オークションサイトで売却されます。このような機器のファイルに多くの個人情報が保存されているのかを忘れることが多く、プロフィールや情報を削除せず、プライベートなデータをリスクにさらしてしまいます。コンピューターやゲーム機、タブレット、スマホを処分する前に、必ず個人データをすべて消去し、工場出荷時の設定にリセットしてください。

必要となる具体的なツールや手順は機器の種類によって異なる場合があるため、それぞれ機器について的確な方法でリセットします。また、一部の機器では、消去機能を使用しても削除されないストレージ領域が存在することにもご注意ください。機器にSDカードなど、PC互換ストレージドライブが付属しているものは、PCに接続してデータを完全に消去してください。コンピューターの場合は、「削除」機能や再フォーマットに依存しないでください。複数回上書きすることで、データを完全に削除するプログラムを使用すべきです。

4. ウェブカメラの懸念事項

ウェブカメラは、登場して以来、長い間ハッキングのターゲットになってきました。当初、ウェブカメラは物理的に周辺機器から分離されており、エンドユーザーが手動で追加する必要があったので、保護されないまま工場出荷時のデフォルト設定が維持されていました。ウェブカメラは多種多様な方法で容易に悪用されていました。今日ではノートパソコンやタブレットからスマホにいたるまで、多くのデバイスにウェブカメラが内蔵されており、ウェブカメラのハッキング報告は日常茶飯事になっています。内部、外部を問わず、ウェブカメラやマイクなどが接続されている記録装置は、攻撃者にリモートで制御され、お子様がターゲットになる可能性もあります。このリスクを避けるため、リアルタイムのスキャンとスケジュールされたスキャンを行ってマルウェアを検出するサイバーセキュリティソフトウェアを使用してください。すべてのウェブカメラのデフォルト設定を「オフ」にして、物理的な防御策(内蔵カメラのカバーや不透明のテープなど)を活用しましょう。

5. オンライン性犯罪者

ネットを介した性犯罪者の多くはゲームを利用する大人で、子供をおびき寄せて仲良くなることを狙っています。最終的に不適切なメッセージや、ウェブカメラによるチャット、さらには直接会うことで、性的な被害につながる可能性があります。Internet Safety 101(英語記事) によると、性犯罪者はオンラインゲームを利用して、オンライン上での経験を共有し、子供の守護者やチームメート、味方になります。強い敵を倒したり、新しいレベルを探索したりした後、共通の体験に基づいて性犯罪者は年少のゲーマーとの絆を強め、より個人的なスペースに入り込もうとします。多くの場合、性犯罪者は「子供のことを本当に理解している唯一の人」を装って、子供を親や実生活の友人から引き離そうとします。この問題に対応するには、オンラインでのリスクについて話し合い、お子様のゲームをしっかり監視する必要があります。

6. 隠れた課金

オンラインゲームの危険には、さまざまなかたちがあります。「フリーミアム」モデルを使用しているオンラインゲームでは、一部のコンテンツを無料で提供する代わりに、完全なゲームの機能にアクセスするには支払いが必要になります。いわゆる無料モバイルゲームは大きなビジネスに成長しており、2018年だけでも610億ドルの市場規模になっています。数年前までフリーミアムのビジネスモデルには、少額でアプリ内の広告を削除する機能が備えられていました。その後、フリーミアムモデルは急速に変化し、サブスクリプション、拡張機能、バーチャル通貨、武器、特別な能力、その他のアクセサリーをクレジットカード払いで提供するようになっています。ほとんどの場合、このようなゲームではユーザーはゲームのプロフィールにクレジットカードを登録する必要があります。ユーザーが新しいアイテムやサービスを購入すると毎回、自動的にクレジットカードに課金されます。

この問題の解決策はシンプルです。フリーミアムゲームをプレイする場合、お子様にクレジットカードの番号を教えないことです。お子様が従来タイプのサブスクリプションに基づくゲームや、AppleまたはGoogle Playのようなサービスを通して実行するゲームをプレイしている場合は、アカウント設定メニューで購入パスワード機能を有効にしてください。また、定期的にクレジットカードの請求書をチェックし、承認していない購入の課金が行われていないか確認しましょう。子供にスマートフォンやタブレットを使わせる場合は、「アプリ内課金」を無効にし、子供が知らないうちにアプリ内で課金して多額の請求を受けることのないようにしてください。

7. マルウェア

トロイの木馬は正規のアプリに変更を加え、悪意のあるバージョンが、Google Playやその他の正規のマーケットプレイスにもアップロードされることがあります。アドウェアやトロイの木馬のようなマルウェアは、感染したマシンをより大規模なボットネットのゾンビに変え、評判の高いアプリ市場さえ浸食し続けます。マルウェアは多くの場合、遅延タイマーで操作されるため、被害者はオンラインゲームをその攻撃に関連付けることができません。ダウンロードするアプリに気を付けてください。マルウェアは、合法的なアプリによってホストされるか、合法的だと装うことがあります。マルウェアのリスクを最小限に抑えるためには、次の3つの基本的なステップがあります。

1 – 最近のレビューや新しいストーリーに注意する

2 – ゲームディベロッパーとベンダーまたはマーケットプレイスを調査する

3 – コンピューターやモバイル機器にダウンロードするファイルは、サイバーセキュリティソフトウェアを使用してスキャンする

あらゆるゲームとダウンロードについてお子様と話し合い、その後に承認するようにしてください。評判の高いクロスデバイスのサイバーセキュリティソフトウェアを使用することを、強くおすすめします。オンラインゲームは楽しみだけではありません。子供がいじめやなりすまし犯罪、クレジットカード詐欺や性的な被害に遭う危険が潜んでいます。これらのリスクについてお子様と話し合ってください。

お子様が小さいときから話合いをすることで、これらの脅威を避けるための力が養われます。兆候を見逃さず、リスクを理解して、お子様のオンラインゲーム利用に積極的に関心を持つようにしてください。

オンラインゲームの危険から子供を守るために最適な方法は?

モニタリングと話し合いだけでは足りません。定期的にお子様とビデオゲームをプレイしてください。ゲーマーでなければ、お子様に教えてもらいましょう。お子様とプレイすることにより、ゲームを正確に理解して本当の意味でオープンなコミュニケーションが可能になります。さらに、体験を共有することで絆が深まり、お子様の好きなフォーラムとアクティビティを自然と確認できます。

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オンラインゲームの危険から子供を守るには

オンラインゲームを子供に任せてしまうと、金銭的な問題やID盗難のほか、性犯罪者やネットいじめなど様々な危険に遭遇する可能性があります。
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