スマートフォン用のVPNサービスを利用すると、安全にインターネットを利用できます。
スマートフォンでやり取りする通信の中には個人情報が多く含まれているため、サイバー犯罪者にとって絶好の標的となります。
携帯電話会社の通信回線やWi-Fiサービスを利用している場合でも、スマートフォンからの情報流出や、なりすましなどのサイバー攻撃を受ける危険性があります。そのようなリスクから身を守るために、VPNを利用するメリットを理解しておきましょう。
インターネット利用時は、常にネットの脅威にさらされています。しかし、恐れることはありません。VPNサービスを利用すれば、簡単にセキュリティを守れます。
仮想プライベートネットワーク(VPN)を利用すると、デバイス間でやりとりされるインターネット上のデータが暗号化されます。
VPNソフトウェアは、コンピューターやタブレット、スマートフォンなど、あらゆるデバイスにインストールできます。VPNは、通信を傍受した第三者に読み取られないよう、データ形式をスクランブル化(暗号化)して送信します。
暗号化が必要な理由は、ユーザーが意識していないものも含めて、インターネットを介して様々なタイプの個人情報を送信しているためです。これらのデータには、主に次のようなものが含まれます。
また、通信データには、ユーザーに関する詳細情報も含まれています。たとえば、デバイス特有の識別番号や、物理的な位置情報などです。
インターネット上の通信データは、技術的な知識が少しあれば、誰でも簡単に盗み見できるため、VPNの利用は必須といえます。なぜなら、無線か有線かに関係なく、同じネットワークにアクセスできる第三者によって、データが盗み見される危険性があるからです。
つまり、パスワードで保護されているWi-Fiであっても、個人情報が不正流出するリスクが潜んでいるのです。VPNを使用すれば、これらのデータを暗号化できるため、個人情報を保護できます。
VPNは、次の技術によって通信データを保護し、セキュリティ機能を実現しています。
データを暗号化して、指定された相手先だけが読み取れる形式にスクランブル化します。
次に、トンネリングプロトコルを利用して、Wi-Fiネットワークやモバイルネットワーク内に、暗号化された「トンネル」を作成します。これによりネットワーク上の他のユーザーからデータを隔離し、暗号化して保護します。
ネットワーク自体の安全性が確保できない場合でも、通信内容を保護できます。
リモートサーバーは、暗号化されたデータが、仮想トンネルを通ってたどり着く目的地です。
データは他の国や地域にあるVPNサーバーに送信され、ユーザーの個人情報を匿名化します。データが最終目的地に送られると、すべての位置データがユーザーのものから、リモートサーバー保有のものに置き換えられます。
このVPNサーバーは、セキュリティの仲介者の役割を担っており、第三者が追跡できないようデータを守ります。
主にこれらの技術を組み合わせることで、個人情報の不正流出を防ぎ、ネットの脅威から身を守ったり、プライバシーを保護したりしているのです。
VPNの主なメリットは、プライバシーに関するものですが、それだけではありません。次の3つの利点もあります。
ネットワーク上の通信データが暗号化されていないと、同じネットワークに接続した第三者によって、データを盗み見されるリスクがあります。VPNを使用すれば、これらの行為を防げるでしょう。
サイバー犯罪者がデータを解読するには「暗号化キー」が必要ですが、総当たり攻撃(ブルートフォースアタック)でこのキーを見つけるには、コンピュータを使っても数十億年はかかります。
VPNを使用すれば通信を暗号化できるため、パスワードが設定されていない公衆Wi-Fiでも、安全に利用できるでしょう。
VPNサーバーは、ユーザーの代わりにネット上の通信データを中継するため、ユーザーの位置情報を隠すことができます。位置に関する属性データには、VPNサーバーが設置されている場所の情報が使われるため、本来の位置を特定することは不可能といえます。
また、多くのVPNサービスでは、サービス上にユーザーの活動記録を保存していません。そのため、ユーザーの利用履歴が知られることはないでしょう。
地域限定のWebコンテンツに、どこからでもアクセスできるようになります。
サービスサイトやWebサイトの中には、世界の特定地域からのみアクセスを許可している場合がありますが、VPNの接続先を別の国のVPNサーバーに切り替えることで、自分の位置情報を変更することができます。
VPNを使用すると、日常生活がより便利で安全になるケースもあります。ここでは3つの例を紹介しましょう。
VPNサーバーの切り替え機能を利用すると、動画ストリーミングサービスで地域限定のコンテンツが閲覧できるようになります。
VPNで接続先を切り替えてユーザーの位置情報を変更すれば、ストリーミングサービス側では、ユーザーが別の国や地域にいると認識されるため、自分が今いる国や地域では利用できない映画やTVコンテンツを閲覧できるようになります。
航空会社やホテルは、誰がどこの宿泊施設を閲覧したのかを把握するため、サイト閲覧者のトラッキングを行っています。
これにより、その宿泊施設に興味があるとマーキングされて、人為的に価格を操作されてしまうことがあります。これは、宿泊施設が利益を得るために価格を値上げしたうえで、予約を急がせるために行います。
VPN接続を使用すれば、自分の通信データが匿名化できるので、こういった手法の影響を受けることがなくなります。
企業は、自社のマーケティングやサービスの向上を目的として、ユーザーの属性情報を収集していることはよく知られています。これらの行為に悪意はありませんが、属性情報が外部に出ることを望まないユーザーもいるでしょう。
このような属性データを収集し、他の企業に販売しているサービスも存在します。データが拡散すれば、それだけデータ漏洩のリスクも高まります。VPNを使用すると、インターネット上の行動履歴だけでなく、一緒に送信される属性データも暗号化されるため、追跡を防止できます。
近年、多くの方がスマートフォンでインターネットを利用しています。とくに外出時には、利用頻度が増えるでしょう。お使いのノートPCやデスクトップPCと同様に、スマートフォンでもVPNの利用をおすすめします。
ここでは、スマートフォンでVPNを利用するメリットを3つご紹介します。
近年、スマートフォンで利用可能な公衆Wi-Fiが増えています。こうした公衆Wi-Fiの利用は、たとえパスワードが設定されていても注意が必要です。なぜなら、複数人が共通のパスワードを使って接続するWi-Fiの場合は、サイバー犯罪者がそのパスワードを知っていれば、Wi-Fiにアクセスしてデータを盗み見できるからです。
VPNを使用すると通信データが暗号化されるため、公衆Wi-Fiに接続したときでも個人情報を守ることができます。
最近では、スマートフォン用の銀行アプリも一般的になってきましたが、このようなアプリを使用すると、金融情報がインターネット上に送信されます。Amazonなどのショッピングアプリを利用したオンラインショッピングでも、同様の脅威があるでしょう。
独自の暗号化技術を使用しているアプリもありますが、VPNを利用することで、さらに強固にデータを保護できます。
AppleのFaceTime、Skype、Google Hangoutsでのチャット、またはWi-Fi通話をしていると、悪意のある盗聴者が存在する可能性があります。通信データを暗号化すれば、サイバー犯罪者がインターネット経由でチャットに不正侵入したり、盗み見したりできなくなります。
スマートフォン用VPNサービスの利用は、iOSとAndroidのどちらの場合でも簡単に利用できます。設定手順は、次のとおりです。
1つずつ順番にご紹介します。
App StoreかGoogle Play Storeからアプリをダウンロードしてください。評価の高いサービスを利用する場合は、有料のサブスクリプションが必要になることがあります。
通常は、特に設定する必要はありません。ログイン後に一連の設定が行われることが多いため、必ずアプリのアカウントにログインしてから利用してください。
多くのVPNアプリでは、照明のスイッチと同じく、簡単な手順でオン、オフの操作ができます。VPNアプリをホーム画面上に配置することもできます。
実際にいる場所とは異なる国や地域の位置情報に、手動で切り替えることができます。メニューを表示させれば、一覧から好きな国を簡単に選べるでしょう。
プライバシーをより詳しく設定したいユーザー向けに用意されています。暗号化の方法を、他のプロトコルに変更できるVPNサービスもあります。また、アプリに診断情報やその他の機能が備わっていることもあるでしょう。自分のニーズに合ったVPNを見つけるには、サブスクリプションに登録する前に、どのような機能があるかを必ず確認してください。
VPNを使用する際は、先ほどご紹介した基本的な使い方に加えて、次の2つの安全対策も必ず実施してください。
1つずつ解説していきます。
VPNは、インターネットを経由する通信のみ暗号化します。モバイル接続やWi-Fi接続を使用しない場合、音声通話やテキストメッセージは暗号化されません。
音声通話を暗号化したいときは、VoIPサービスを利用してください。Wi-Fi通話、およびSkypeやLINEなどの電話サービスでは、通話にインターネットを利用します。
メッセージを暗号化するには、AppleのiMessage、またはAndroidのRCSメッセージングなどの機能を使ってください。また、WhatsAppやFacebook Messengerなどのサードパーティーのサービスも利用できます。
VPNは、ベンダーがデータの利用と保存ルールについてのポリシーを定めており、プライバシーの安全性はそのポリシーの内容に左右されます。VPNは、ユーザーのデータをVPNサーバーに取り込んで、ユーザーの代わりにインターネットに接続しているため、信頼できるサービスを選ぶことはとても重要です。
VPNにデータログが残されている場合、ログの用途について必ず確認しましょう。なぜなら、評価の高いVPNサービスはユーザーのプライバシーを第一に考えているからです。
カスペルスキー VPNセキュアコネクションは、AndroidスマートフォンとiPhone、さらにWindows PCとMac OSに対応したVPNサービスです。
データ通信を高度に暗号化することで、IDやパスワードなどの個人情報や通信内容を保護するため、セキュリティ対策が十分でないWi-Fiも安全に利用できるようになります。サーバーは30カ国以上のロケーションから選択でき、位置情報やIPアドレスを隠すことも容易です。
VPNサービスは信頼性の高いものを利用することが何より大切です。30日間の返金保証もある、カスペルスキー VPNセキュアコネクションをぜひお試しください。
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